(9)泡姫(女の子)「これは夜のお店の隠語なんですが……。親御さんはご存じなかったんでしょう。泡のように儚く美しい、ある物語の主人公の名前なんですが、ちょっと心配になってしまいます」

(10)一心(女の子)「これは確かに読んで字の如しというか、ただ一つの目標や人物にまっすぐ向かう、すごく純真そうなイメージです。しかし、この字で、そう読めるかというのは別問題ですが……」

(11)夢希(男の子)「ユウキとかダイキ、“○○キ”という名前は、どこかスポーティな印象で、僕も子どもの頃は憧れましたね。親御さんはよほどスポーツ好きか、もしくはスニーカー好きなのかな……」

(12)希星、姫星など(女の子)「これも難しいですね。音にしてみればなじみのある言葉ですが、この文字面からはまったく分からない。若いお母さんが、自分が好きなものの名前をそのまま子どもにつけた印象です」

 というわけで、上級編の解答は(9)ありえる、(10)ぴゅあ、(11)ないき、(12)きてぃ。こうして見ると、キラキラネームには親の願いや好みがストレートすぎるほどに表現されたものが多い。

「ゲームやアニメの影響で言語感覚が豊かになってきたことと、“個性的な名前にしよう”と思うあまり、どんどん使う文字がゴージャス、難解になったりしていることが“キラキラ”と言われる所以でしょう。親御さんが子どものことを真剣に考えていることには、今も昔も変わりはないんですが」(飯田氏)

 キラキラネームも親心ゆえ。たとえどんなに読みづらくても、その思いはきちんと汲まなければならない。しかし、さすがに「これは読めませんよ!」という“超級編”も、世の中には存在する。

(13)皇帝「これも“夢は大きく”系ですが……もはや、読み以前の問題のような気も」

(14)輝弥虎進「沖縄に11人兄弟が全員キラキラネームという家族がいるんですが、彼はその三男。すぐ下の妹は美寿蘭(びじゅら)ちゃん、一番下の子は駿煌進(じゅせとしん)くんと言うそうです……ヒントにならないか」

(15)矛伴目途「海外にもキラキラネームは存在するんですが、同時に“NGの名前”も、国や文化によって存在します。メキシコでは“ヒトラー”“ツイッター”など61の名前が禁止。ニュージーランドでは“プリンセス”など、公的な階級を示す名前が禁止です。この名前も、禁止の国があるかも……」

 なんとも奥深い、キラキラネームの世界。会社の人事担当者や人の名前を呼ぶ機会の多い窓口業務の方々、健闘を祈ります!

 超級編の正解:(13)しいざあ、ねろなど、(14)きゃとらしん、(15)むはんまど。

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