ヒップアタックの次は、思わず「一本!」と言いたくなるような投げ技。08年9月24日の西武-ロッテ戦。4回表、ロッテは7点を奪い、打席にはベニー・アグバヤニが立っていた。マウンドの西武の許銘傑は、このベニーにぶつけてしまう。すると、ベニーは激怒し、止めに入った捕手の細川亨に対し、見事な首投げを決めたのだった。この試合に出場していた里崎智也氏は、こう話す。「あの回、3つめの死球だったんですよ。1回に3死球なんてしたこともないし、見たことない。わざとではないと思うけど、それは怒りますよ。ベニーは温厚なタイプでしたが、そんなの、関係ないですよね」 柔道でも通用した!?

 殴られたり投げられるくらいなら……と逃げ切った投手がいる。大洋に所属していた大門和彦だ。90年6月24日、対広島戦でロデリック・アレンの顔近くに投球すると、アレンが激怒。大門は一目散に外野に逃げると、アレンが追いかけるという“鬼ごっこ”が始まったのだ。大男から追われた大門は、生きた心地がしなかっただろう。

■広島カープ黒田博樹vs阪神タイガース藤浪晋太郎

 最後は“男気乱闘”を紹介しよう。2015年の広島-阪神戦。2回裏一死一塁の場面で打席には、この日の先発投手の黒田博樹。マウンドには、3年目の藤浪晋太郎が立っていた。「バントの構えをしていた黒田に対し、2球連続で胸もと付近に投げたことで、黒田が激昂しましたが、これには理由があったんです。藤浪は二塁でランナーを殺そうとして、投げきる前に走り出していた。技術がないのに、雑なプレーをしたことに黒田は怒ったんです。その試合で、黒田は藤浪が打席に立つと、内角にきちんとコントロールされた球を投げるんですが、まるで“こうやって投げるんだ”と言わんばかりでした」(前出のスポーツ紙デスク)

 ときには行きすぎてしまうこともあるが、ガチンコ勝負ゆえのもの。今後も熱い戦いを見たい!

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