■ポスティングでのメジャーリーグ移籍を容認するか

 いずれにしても、ドラフト当日までに清宮家は、獲得を希望する球団と何度も“面接”を行うといわれる。「同席するという父・克幸氏は、息子の長所と短所はどこだと考えるのか、息子をどう育てるつもりなのかという質問を何度も繰り返し、各球団の本気度を確かめるはずです」(同)

 また、各球団と清宮家のやりとりを、他球団は必死でキャッチしようと考えるだろう。この情報戦の結果、各球団のドラフト戦略が変わってくる可能性もある。この際、大きなテーマとなるのが、各球団がポスティングでのメジャー移籍を容認するのかどうか。周知のように、清宮は最終的にはメジャー行きを切望しており、それも、できるだけ早く挑戦させてほしいと考えている。「ダルビッシュや田中将大がそうだったように、これまでは日本で7シーズン戦った後、ポスティング移籍するのが常識でしたが、今オフに渡米することが確実な大谷翔平が、これを5シーズンに短縮してしまいました」(同)

 大谷は日本ハム入団の際に、早期メジャー行きが確約された“密約”を結んだと噂されていて、清宮も、この大谷方式を踏襲したいところだろう。

■巨人、阪神、ソフトバンクの方針は…

 ここで問題となるのが、これまでポスティング移籍を認めてこなかった球団がこれまでの内部規定を変更してまで清宮を獲りにいくのかどうか、という問題。具体的には巨人、阪神、ソフトバンクである。「どうやら阪神は、ポスティング移籍を認める方向に方針転換したようですが、問題は、巨人とソフトバンクです」(夕刊紙記者)

 今の巨人は、坂本勇人以外、野手に若手のスター選手がおらず、清宮はなんとしても獲得したい素材。前出の黒江氏も、巨人軍OBという立場からも、「ぜひ巨人に入ってもらいたい」と熱いエールを送る。内川の後継者を育てたいソフトバンクも同様だろう。しかし、両球団はこれまで、そろってポスティング移籍を認めてこなかった。「ところが、巨人は清宮獲得のために、今回だけの特例として、ポスティングを認める方向に動いているんです」(前同)

■メジャー志向の強い菅野智之への影響も

 だが、この決断は、別の深刻な事態を引き起こしかねないというのだ。「同じくメジャー志向の強い菅野智之への影響です。清宮のポスティングを認め、菅野は認めないというのはありえない。もし菅野が、メジャー移籍を強く望めば、容認せざるをえなくなるでしょうね。同様のことはソフトバンクでも起こりうる。柳田悠岐、千賀滉大はメジャー志向が強いですからね」(同)

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