■日本武道館の握手会に1万人!
――そんなおニャン子も、渡辺さんが加入してから1年半後の1987年9月に解散。おニャン子時代を振り返って、いかがでした?
渡辺 なんだか濃すぎて、立ち止まって考える間もなかったですね。感覚的にはすごく楽しかったんですけど、なんか夢の中にいるみたいな感じでした。
――一番の思い出は?
渡辺 最初のコンサートツアーかな。舞台に登壇したら、声援がドワ~ッと地響きみたいになって、もうその瞬間に感動して体が震えて涙が出てきちゃったんです。それと、デビューから半年後にソロデビューしたんですけど、そのときに日本武道館でやった握手会イベントですね。そのときも震えて泣きました(笑)。
――握手会を武道館で!? 何人ぐらいのファンの方が集まったんですか。
渡辺 1万人ぐらい……だったかな?
――サラッと言いますが、すごすぎますよ(笑)。
渡辺 そういうことも含めて、夢の中にいるような不思議な時間でしたね。
■MCでタモリやビートたけし、みのもんたと共演
――その後、今日まで芸能界でお仕事を続けられてきたわけですが、解散時に、進路で悩んだりしました?
渡辺 解散前から、卒業する人もいたし、いつかそういうときが来るんだろうなって気持ちはありました。でも私自身、芸能活動は好きだったし、楽しいことだったので、続けていこうかなと思っていたんです。
――でも当時、まだ高校2年生でしたよね。
渡辺 はい。だから正直、大学に行きたいなって考えたりもして、マネージャーやレコード会社の人に相談したこともありました。そうしたら、学業と仕事の両立は難しい……みたいなことを言われて……。そのときに初めて、芸能活動とはそういうものなんだと改めて感じました。それまでは、学業優先と言われて、すごく皆に守られていたんですけど、覚悟を決めてやらなきゃいけないんだなと。
――いざ第2のスタートをしてみて、いかがでした?
渡辺 解散して4~5年目でMCの仕事をするようになったときが不安でしたね。それまでは持ち上げられる立場で、“自分さえ楽しければいい”みたいに思っていた私が、人から話を引き出すことができるのだろうかと。でも、先々のことを考えたら、挑戦してみたほうがいいと思って……あのときが人生の岐路でしたね。
――実際にMCのお仕事で共演された方は、タモリさん、ビートたけしさん、みのもんたさん……と、ビッグな方ばかりですね!
渡辺 皆さん、偉ぶらないし、すごくフラットで優しくて。何より、人にプレッシャーを与えることなく、自身が楽しんでやってらっしゃって。そうすれば、その楽しさが自然と人に伝わっていくんだなってことを学ばせてもらいました。