■DHAとアラキドン酸も有効
もう一つ、“脳にいい油”として、(10)青魚に多く含まれる脂質=DHAとアラキドン酸があるという。「魚料理をメインにした和食中心の食事をとれば、こうした魚の脂質を摂取できます」(前同)
なお、(11)65歳以上の中高年は、多少コレステロール値が高くても、かえって認知症予防にはいいとされる。「最近は、総コレステロール値が低いほうがアルツハイマーになりやすいと言う専門家も少なくありません」(前出の牧氏)
だが、あまり悪い油を摂りすぎると健康を害してしまい、逆効果。抗酸化作用のあるオリーブ油やゴマ油などを積極的に使うといいだろう。
■コーヒーや酒、果物も予防にいい
また、多くの人が日常的に飲んでいるコーヒーも、予防には効果的。「(12)コーヒーのカフェインには認知機能や注意力を高める作用があり、認知症の予防にいいという研究報告があります」(篠浦医師)
一見、脳に悪そうな(13)酒も、まったく飲まない人より“嗜む人”のほうが、認知症発症率は低いとされている。「気持ちがほぐれ、ストレス解消になることが大きいのでしょう。ストレスは脳の機能を低下させる大きな要因ですからね」(前同) ただし、当然ながら飲み過ぎは厳禁。ビールの中瓶1本が限度だ。
また、(14)果物やナッツ類も記憶力の改善には役立つ。イチゴ、ブルーベリー、クルミなどが、特にオススメだという。
■ゲームやラジオなどで脳トレ
食べ物以外では、認知症は頭を使わなくなることで進行することが分かっているため、日常の生活の中で頭を使う機会を作ることが重要だ。実際、ケア施設などでは入居者たちにゲームや麻雀を勧め、脳トレをさせているところもある。麻雀ができない人も、たとえば、こんな生活習慣を身につけるだけでずいぶん違うという。
まずは、(15)テレビよりラジオを積極的に聴く。ボケッと見ていれば、なんとなく情報を得られるテレビと違い、ラジオは聴いたことを脳で再現、想像する必要がある。これが格好の“脳トレ”になるのだ。
(16)ガムを噛むのも、そう。噛むことによって脳血流が増えるからだ。噛める歯を大切にすることも、認知症予防になる。