■おトクがいっぱい! 文化の日はこう過ごす

●入場無料になる文化・教育施設が多い!

 文化の日は、全国各地で美術館や博物館が入館無料になったり、庭園などが一般開放されたり、イベントが実施されたりする。インターネットで「文化の日 無料」と検索すればたくさん情報記事が出てくるはずだ。また、文化の日を含む期間にアートフェアや芸術祭が開催される。しかも例年、晴天になる確率が非常に高い。人気の企画展や有名作品の展示は混雑するので、開館と同時に利用してもいいぐらいだ。

●「関西文化の日」もある?

 2003年(平成15年)から始まった「関西文化の日」は11月の第3土曜、日曜を中心に開催。関西の2府・5県・4政令市が団結した「関西広域連合 関西元気文化圏推進協議会」によるもので、参加する各地の文化施設がフリーになる。

■文化勲章を授かった偉人たち

 文化の日には、皇居で天皇陛下が文化功労者に勲章を授ける。この文化勲章は、我が国の文化の発達に関して顕著な功績のあった者に対して授与されるものだ。

 たとえば2017年の受賞者は、光を当てると化学反応が促進される「光触媒」を発見した東京理科大学長の藤嶋昭氏や、まばゆい色彩の具象画で知られる洋画家の奥谷博氏など。例年さまざまな分野から数人が選出され、過去の受賞者にもそうそうたる顔ぶれが勢ぞろいしている。

【俳優】

  • 森繁久彌(1991年)
  • 森光子(2005年)
  • 高倉健(2013年)
  • 仲代達矢(2015年)

【小説家】

  • 司馬遼太郎(1993年)
  • 遠藤周作(1995年)
  • 阿川弘之(1999年)
  • 平岩弓枝(2016年)
  • 瀬戸内寂聴(2006年)
  • 田辺聖子(2008年)

【服飾デザイン】

  • 森英恵(1996年)
  • 三宅一生(2010年)

【学者】

  • 小柴昌俊(1997年)
  • 白川英樹(2000年)
  • 田中耕一(2002年)
  • 小林誠(2008年)
  • 下村脩(2008年)
  • 益川敏英(2008年)
  • 鈴木章(2010年)
  • 根岸英一(2010年)
  • 山中伸弥(2012年)
  • 天野浩(2014年)
  • 中村修二(2014年)
  • 大村智(2015年)
  • 大隅良典(2016年)

■まとめ

 明治天皇の誕生日 → GHQからの圧力によって憲法記念日の候補に → 文化の日、という「文化の日」の成り立ちが見えてきた。歴史や法律の変遷で左右されることも多い、祝日。現在でも11月3日を改めて「文化の日」から「明治の日」にしよう、とする動きもあるようだ。何にせよ、11月の頭という気候のいい時期の祝日はうれしいもの。年によっては土日と併せて3連休になることもある。

 ちなみに同日は「文具の日」でもある。文具と文化は同じ精神のもとに発展すべきとして、「東京都文具事務用品商業組合」が中心となり、1987年(昭和62年)にもうけたもの。美術鑑賞の後は、新しいステーショナリーを探しに行くのもいいだろう。

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