檀家のお布施の相場は? 辞めた場合の葬儀やお墓、納骨はどうなるのかの画像
檀家のお布施の相場は? 辞めた場合の葬儀やお墓、納骨はどうなるのかの画像

 歳をとるごとに、法事に顔を出す側から仕切る側にまわる機会が増えてくる。世の中に宗教は数あるが、家にお仏壇があり、お寺にお墓があるなら仏教徒ということになる。冠婚葬祭、法事、お墓の管理などの際に「檀家制度」について知っておいて損はない。「あそこのお寺は檀家が多い」とか「最近は檀家が減ってきた」なんて話を耳にすることもあるが、そもそも檀家って一体何のことなのだろうか?

■檀家制度の仕組み

 そもそも檀家とは、特定の寺院に所属し、葬祭や供養などを専属でお願いできる代わりに、そのお寺にお布施をして経済的に支援する家(人々)のこと。宗派によって呼び名が変わり、信徒や門徒とも呼ばれる。世代を超えて、代々にわたって葬儀・法要をしてもらっている寺院を菩提寺(ぼだいじ)といい、多くは家族全員が同じ檀家になる。

 檀家の語源は、古代インド語であるサンスクリット語の「ダーナパティ」だといわれている。「ダーナパティ」は寺や僧侶を援助する庇護者を意味する言葉で、「布施」を意味する「ダーナ」の訳語が「檀那」(だんな)だ。祈祷や供養の依頼者を檀那と呼ぶようになり、中世以降は、奉公人が主人を呼ぶ際の敬称としても使われた。現代においても「旦那」という言葉として残っている。

●檀家制度はいつからあったのか?

 鎌倉時代、公家や武家が特定の檀那寺(菩提寺)を持ったのが始まりとされる。江戸時代になって、幕府がキリシタン禁制の一環として「寺請制度(てらうけせいど)」をもうけると、すべての人々がどこかの寺の檀家となることになった。檀家になれば迫害を逃れることができたのだ。

 寺請制度によって寺は戸籍を管理することになり、当時はお寺が役場のようなポジションを担っていた。この頃から檀家は家に仏壇を置き、法事のたびに僧侶を招いてお布施をするという関係が定着していった。

■檀家って、どうやってなるの?

 檀家になることを入檀という。現在すでにどこかのお寺の檀家だという人の多くは、過去に親や先祖が入檀していたことになる。ある程度の年齢になったら、家族に自分の家の菩提寺はどこか、聞いてみるといい。

 では、もし新たに檀家になるにはどうしたらいいのか。入檀には一般的に入檀料を払う必要があり、檀家になった後も寺院の運営を支えるため、お布施などの経済支援を行う。入檀料は10万~30万円程度が相場だといわれている。入檀料を支払い、檀家契約書、墓地契約書などの書類に記入。また位牌の安置などをお願いする場合は、10万円程度の費用が別途かかることも。入檀後も、志納金(拝観料)としてお布施を徴収・請求されるケースがある。

●檀家になる際、注意したいこと

 新しく檀家になる場合、仏事利用のしきたりや檀家の権利が宗派によって異なるため、事前によく確認する必要がある。お寺の経営状態についても、情報収集をするといいだろう。羽振りがよくても、内部では住職の跡取り問題など、トラブルを抱えている場合もあるからだ。

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