■中国の乱獲が原因か!?

 では、同様に漁獲量が激減し、価格が2倍に高騰しているイカの場合はどうか。「イカの不漁に関しては、中国の乱獲説が根強いです。日本近海のイカは、東シナ海で産卵、孵化した後、北海道付近まで北上して東シナ海に戻るルートで回遊するんですが、十数年前に中国漁船が北朝鮮水域で操業するようになって以降、日本と韓国の漁獲量が半分以下になっているのに対し、中国は1.5倍になって、その漁獲量は断トツの世界1位です。ちなみに、日本の食卓に並ぶイカの約3割は輸入品で、そのうちの約半分は中国からの輸入です」(全国紙経済部記者)

 さらに、産卵場所である東シナ海にも問題が……。「周期的な自然現象により、2010年頃から東シナ海の海水温が低温期に入ったために、卵が孵化できなくなったことが原因という説もありますし、中国・長江の護岸工事などの影響で、東シナ海の生態系が変化したことが遠因とする声もある」(海洋調査団体研究員)

 では、イカは絶滅の一途をたどっているのか?「イカはそんなにバカじゃありませんよ。何しろ、人類が誕生する1億年も前から地球に存在していたという説もあるくらいです。長らく日本近海で獲られまくりましたからね。種の保存のため、本能的に産卵場所を変えた可能性も否定できない」(科学雑誌ライター)

 最後はタコ。ちなみに、タコの漁獲量の断トツ世界1位も中国なのだが、タコの場合は、サンマやイカとは少し事情が違うようだ。「タコは日本の国内消費の7割以上は輸入品で、そのほとんどは西アフリカのモロッコ産とモーリタニア産。そしてこのアフリカで、深刻な不漁が起きているんです」(前出の経済部記者)

 その原因の一つは、ズバリ“乱獲”だという。「タコは1~2年で成ダコ(成魚)になるんですが、その前に獲り尽くしてしまうことが横行していたらしいんです。モロッコやモーリタニアで水揚げされたタコの半分以上は対日輸出用ですから、日本に責任がないわけではない」(前同)

 そのため、現在では両国をはじめとした西アフリカの国へ技術指導に赴く日本の団体や業者もあるという。「世界の海はつながっている以上、責任は各国に等しくある。単純に一国が悪いと決めて解決する話ではありません。同じ水産資源を共有する国が協力して養殖技術を開発するなど、末永く食べられる方策を考えなければ……」(前同)

 サンマやイカ、タコが日本の食文化を支えてきたのは事実。絶滅の危惧がないとしても、なるべく無駄にせず、ありがたく、おいしくいただこうではないか。

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