■城みちるに胸キュンして
――そうなんですか。でも、伊藤さんが75年頃から数年間交際してた城みちるさんも、『スタ誕!』出身のアイドルでしたよね。交際のきっかけは?
伊藤 私が旅行で日焼けしすぎて、かさぶたみたいなのが口の周りに残っちゃったことがあったんです。どうしようって思っていたら、みちるがお医者様に特別に調合してもらった薬を分けてくれて……。私が直接、みちるに相談したわけじゃないのに、私が困っているのを小耳に挟んで、「会ったら渡してあげよう」って、ずっと薬を持ち歩いてくれていたんですって。その話を聞いたときに、胸がキュンって(照笑)。
――アイドル同士が交際するとなると、デートは大変だったんじゃないですか。
伊藤 お互い忙しかったから、現場で会って舞台袖でハイタッチするくらいでしたね。あ、でも、当時、野口五郎さんの付き人だった方と仲良くなって、その人の自宅に2人で、よく遊びに行ってましたね。その人はご結婚されていて、奥様の手料理をいただいたり。
――現場デートとホームパーティデートですか。
伊藤 結局、4年ぐらい、つきあっていたのかな。やっぱり、お互い若かったということもあったし、東京で生まれ育った私には、みちるの故郷の広島で生活するのはちょっと想像つかなくて、別れることに……。
――嫌いになって別れたわけじゃなかったんですね。
伊藤 そう。今はお互い家庭を持っているけど、家族ぐるみのおつきあい。“心友”というか、男女を超越した関係だと思うんです。だから、みちるに何かあったら、すぐにでも飛んで行くと思いますよ(笑)。
――この4月にリリースされた新譜には、そんな城さんとのデュエット『春風の二人』も収録されてますね。歌詞には「ひまわり」や「イルカ」「木枯しの」など、お二人ならではのキーワードも盛り込まれてました。
伊藤 今年は私の還暦とデビュー45周年の節目の年なので、話題性も兼ねて、その記念に企画しました。みちるは25年ぶりのレコーディングで、ずーっと緊張してましたけど(笑)、いざ始まると、「さすが!」って思わせるくらい決めてきましたね。もっとも、レコード会社は『別れても好きな人』を歌わせたかったみたい(笑)。