■『下町ロケット』は悪役のほうが人気!
神田正輝や尾上菊之助など、役者畑の人間が悪役にハマるのはわかるが、このドラマがすごいのは、古舘伊知郎に福澤朗、そして前シーズンの世良公則といった意外性の高いキャスティングも、見事に成功しているところだ。いやむしろ、このドラマのキャスティングの肝は「意外性」、もっと言うと「ニュース性」なのかもしれない。これが高い視聴率につながっていると言っても、過言ではない。
実際にSNSでも盛り上がっているのは佃製作所側よりも、むしろ悪役サイドの話題だ。そしてこれらの布陣に加えての、古川雄大の登場。ミュージカル界の次世代を担うスターが、民放のゴールデン枠に出演とあって、ふだんドラマを見ない層からも注目を集めることにも成功した。演技力もさることながら『下町ロケット』は、悪役のニュース性が快進撃を支えているのだ。残り数話、ドラマのもうひと盛り上がりと、悪役たちの活躍に期待をしたい。(ドラマライター・半澤則吉)
※画像はTBS『下町ロケット』番組公式ホームページより