●テレビプロデューサーと電撃結婚

 本誌の珍問にもきちんと答え、その答え方がまた、かわいらしい。そんな彼女にも欠点があるという。「そう、よく忘れ物をするワ。慌てんぼうなのね。学校へ行くのに、ノート忘れたりして……でも、絶対に忘れないものがあるの。なんだと思う?」 お茶目な笑いを浮かべた彼女がひと言、「それはね、オベントウ」。

 28歳のときに15歳上のテレビプロデューサーと電撃結婚するが、本誌のインタビューで「結婚したらカカア天下になる?」と問われ、「(真面目な顔で)そういうふうになるかもしれません。(表情が柔らかくなって)というのはね、私って、すごい勝ち気なんです。負けるのが大嫌い。だから、私、大変なお嫁さんになるかもしれなくってよ」

 いえいえ、結婚後も女性らしい女性像を演じ続けた吉永小百合は、平成が終わろうとしている今なお、輝き続けているのである。

■スター俳優の映画『網走番外地』封切前の貴重なインタビュー

 高倉健(1963年当時32歳)といえば、『網走番外地』や『昭和残侠伝』シリーズ(東映)などで一気にスターダムにのしあがるが、まだ、その代表作が生まれる前の話だ。デビュー10周年を控え、参上した本誌に開口一番、健さんはこう答えている。「野球なら実績に報いられる権利を持つとこかもしれないけど、ぼかァ、俳優です。10年たって、まだ、これだけかっていう反省だけが残ります」

 後の大スターもこのときまだ、鶴田浩二主演の『人生劇場飛車角』(同)で準主役を射止めたばかり。「偶然入った店に、自分の大きなポスターがあったら?」と問われると、「照れくさくて、やりきれなくなるんです。逃げ出しますよ。とても、ご対面なんかしていられない」

 一方、映画俳優という仕事については「ワルクナイ商売」と断言。同年輩のサラリーマンに「共感するか」という問いには、「共感というよりは尊敬したくなる。ぼかァ、ああいう型の中で決まった時間を送れない男なんだな。自分の力で、はっきり結果が出せなければイヤなんです。俳優ってのは、いつも自分の才能とツラ突き合わせているんで、サボれないんだな」

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