■大谷翔平や田中将大、野茂英雄らがMLBで活躍したが
野茂英雄、佐々木主浩、上原浩治、田中将大、大谷翔平。これまでメジャーリーグで成功した日本人投手の多くは、フォークやスプリットなど“落ちるボール”を武器にしていた。実は村田氏もまた、メジャー垂涎の選手だった。
村田 今でも“メジャーに行っていたら成功したか?”なんて聞かれるけど、俺は自信を持って「イエス」と答える。事実、日米野球では、いつも好投できた。投げるたびに、真っすぐとフォークでメジャーリーガーをキリキリ舞いさせたし、向こうの監督がアメリカに連れて帰りたいピッチャーとして一番に俺の名前を挙げていたよ。ちょっと生まれるのが早すぎたかもな(笑)。
今の日本人ピッチャーが、海を渡るか、日本に残るか、考え方はさまざまだろうけど、メジャーに行った以上は、やっぱり向こうで成功してほしいよね。今、気になるのは、やはり大谷翔平だな。俺は大谷の入団当初から、二刀流を続けるより野手に専念したほうがいいと思っている。確かに真っすぐは速いし、スプリットの精度も高い。でも、今のフォームだと、どうしても肘や肩を痛めやすいはずなんだ。それなら打つほうに絞ればいい。背筋力が強いからインコースを引っ張れるし、高めなら振り遅れてもレフトスタンドに持っていける。
打者に専念して、あのまま日本に残っていたら、張本勲さんの安打数(3085本)や、王貞治さんの本塁打数(868本)という大記録を破る可能性もあったんじゃないかな。まぁ、それはもうかなわないわけだから、メジャーでホームランのタイトルくらい獲ってほしいよね。間違いなく、大谷は、それが可能な逸材だと思うよ。
村田氏のインタビューは次回も続く!
むらたちょうじ:1949年、広島生まれ。マサカリ投法から繰り出される剛速球と落差の激しいフォークボールを武器に、215勝を挙げた球史に残る剛腕投手。