お笑いコンビ『東京ダイナマイト』のハチミツ二郎さんとの対談の後編スタートです。芸人の高齢化が進む一方、テレビを見ない若者が急増。今やインターネット動画で活躍するユーチューバーのほうが、若者に人気があります。 この世の風潮について、ハチミツ二郎さんが芸人の立場から語ってくれました。
ハチミツ「本当に芸人の高齢化が進んでいるんですよね。俺たち『東京ダイナマイト』は昨年、お笑いの総本山である『なんばグランド花月』で単独ライブもやったんです」
ゆま「すごい!」
ハチミツ「さらに、師匠しか入れない個室楽屋ももらえて、ついに俺たちも、ここまでたどり着いたと喜んでいたんです。でも、劇場での出演表を見ると、俺たちがトップバッター」
ゆま「え? つまり、一番年下ってことですか?」
ハチミツ「そう。俺たちの後ろには『ザ・プラン9』や『桂小枝』『ハイヒール』『月亭八方』……どう考えても、高齢化なんです」
ゆま「アハハ、確かに。言い方はアレですけど、上がいっぱいいる感じなんですね」
ハチミツ「そう。だから今の20歳ぐらいの若い芸人は、やり方を変えていかないと、なかなか上に躍り出られないと思う」
ゆま「ユーチューブなどのネットのほうが、活躍の場も広がるってことですか」
ハチミツ「テレビを見る人も減ったからね。それに、ユーチューブなんかを見ていると、今後は“面白くないほうがウケる”ような気がするんだよね」
ゆま「どういうことですか?」
ハチミツ「今は視聴者が物を申したい時代なんです。“くだらない”とか“不謹慎だ!”などと、ユーチューバーのやることに突っ込みたいんですね。そうなると、面白くないものほど突っ込みやすいですよね」
ゆま「なるほど! 圧倒的に面白いと、視聴者も文句を言えない。これでは、逆に人気が出ないんですね」
ハチミツ「実際、ユーチューバーを尊敬している視聴者って少ないと思うんです。むしろ、自分たちも、ため口で突っ込めるほどバカにしている。でも、ビートたけしさんや明石家さんまさんをバカにする視聴者はいないでしょ? 憧れの目で見ますよね」
ゆま「そうですよね」
ハチミツ「だから、俺としては、芸人とユーチューバーはまったく別物と考えています。俺たちが子どもの頃も、『ビートたけしの元気が出るテレビ』のように素人が出る番組はあったんです。でも、結局、そこからタレントになった人はほとんどいない」
ゆま「客を笑わせるのが芸人。客に笑われるのが素人芸人といった感じなのかな」
ハチミツ「ん~、まあ、どっちが正しいとかでもないんだけど、これからの時代、今まで通りの芸人のやり方では、厳しくなってくるとは思いますね」
ゆま「なんか、ハチミツさんのマジメなお笑い論を初めて聞けてうれしいです」
ハチミツ「いやいやいや」