■焼き鳥は塩かタレか

 ところで、鶏といえば焼き鳥。これぞ、“居酒屋の王道”といえるツマミだが、読者諸兄は塩派、それともタレ派だろうか? 塩分の摂り過ぎは高血圧を招くから、一見、健康のためにはタレが正解と思いきや、「タレのほうが塩分や糖質が多く、正解は塩。そこにレモン汁をかけるとビタミンも摂れて健康的です」(都内病院勤務の栄養士)

 続いて牛肉。鶏のモツがNGなのだから、脂分たっぷりの霜降り牛肉も論外。さすがに、居酒屋のメニューに高級食材の霜降り牛肉が使われるケースは稀だろうが、注意したいのがサイコロステーキだ。「肉を柔らかくするため、加工肉に注射針のようなものを刺し、脂分や添加剤などを注入している場合があります。これをインジェクション加工といいます。指摘を受けて、大手居酒屋チェーンでは、サイコロステーキのメニュー欄に“インジェクション加工肉使用”と表示するようになっています」(前出のスタッフ)

 最近増えてきた、居酒屋メニューが整った炭火焼肉の店も要注意だという。料金が安く、これまた庶民の味方なのだが……。「赤肉を高熱で処理すると、アミノ酸の一部が変化して発がん物質が発生します。日本人が焼肉を食べるようになって以降、大腸がん患者が急激に増えているんですね。さらに、炭火焼きの場合、煙の中にもダイオキシンなどの発がん物質が含まれていますから、注意が必要です。もし焼肉を食べるのなら、絶対に焦がさないこと。あとは同じ赤肉でも、しゃぶしゃぶなら高熱で処理するわけではないので、オススメですね」(前出の岡田氏)

■安倍晋三首相はハムカツでスキャンダル?

 居酒屋の人気メニューの一つ、冷やし豚しゃぶサラダなら、肉を食べられるわけだ。逆に最悪なのは、唐揚げなど、肉類の揚げ物。「高温で揚げると肉の脂分が酸化しやすくなり、体内で動脈硬化や老化の原因となる過酸化脂質が生まれます。たとえばハムカツです。塩分が多い加工肉に加え、それを高温で揚げ、甘い中濃ソースをたっぷりかけて食べる……。しかも、発色剤として使われる食品添加物の亜硝酸ナトリウムは、ニトロソアミンという発がん物質へ変化します。つまり、ハムカツは過酸化脂質、塩分、糖分、発がん物質という“負のカルテット”といえるツマミです」(前出の栄養士)

 こんな話がある。2015年に一部週刊誌で、安倍晋三首相の健康不安説が報じられたときのこと。「外出先で急にお腹を壊し、“早くトイレに行きたい”という総理のため、途中の信号をすべて青に強制変更したという噂が流れ、“職権乱用だ!”と批判を浴びました。そのとき総理は、行きつけの上野(東京)の食堂でハムカツを食べていたといわれているんです」(全国紙官邸担当記者)

 一国の総理のスキャンダル(?)の原因ともされるハムカツだが、もう一つ、絶対に食べてはいけないとされるのがフライドポテト。「炭水化物を高温処理することによって、やはり発がん物質に変わります。ファストフード店の小さいサイズが一日の摂取の限度ですから、居酒屋で食べる際には、それを目安にすることです」(前出の岡田氏)

 岡田氏は、塩分の摂り過ぎにも警鐘を鳴らしている。塩分の多い食品を居酒屋のツマミから抜き出すと、ハム、ソーセージ、ピザ、かまぼこ、ししゃも(干物)などが該当する。

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