北大路 “海市”(かいし)ってのは幻ね。蜃気楼。新宿の蜃気楼にあなたの声がまだ残ってるという。恵名さんへのあいさつ句。
藤田 ふ、深い……! 私、自分で書いた歌詞の説明はあえてしないようにしてるんです。聞いた人の感性が正解だと思っているので。でも、俳句はいろいろと制限があるぶん、広がりのある言葉を使わなきゃいけないじゃないですか。どうしても説明って必要になっちゃいますね。
北大路 相手の想像力に任せるっていうのは俳句のコツでもあるんだよ。僕も普段はテクニックとして、自分の詠んだ句についての解説はしないようにしてる。だからときどき、とんでもない勘違いが起こるんだけどね(笑)。
藤田 “こどくちょう”。歌舞伎町みたいな。間に合ってるけど、みんな寂しい町。