壇蜜
壇蜜

 2号連続登場となる壇蜜さん。今回は「平成」を振り返ってくれました。平成にこそ「令和」を生き抜くヒントがある。でも、壇蜜さんが話すとなぜか艶っぽく聞こえてきて……必読!

――ついに「平成」が終わってしまいました。

壇蜜 やっと平成に少し慣れてきたところだったんですけど(笑)。

――壇蜜さんにとって、平成はどんな時代でしたか?

壇蜜 時代の変化についていけず、ずっとアタフタしていたような気がしますね。

――たとえば?

壇蜜 いまだに苦手なことが多いんですよ。スターバックスでの注文とか、まだドキドキしますから。知らない言葉を話さないといけないプレッシャーに押しつぶされそうになる。

――確かに「マキアート」とか昭和にはない言葉です。

壇蜜 呪文に聞こえます。言い間違えてとんでもないものが出てきたらどうしようかと思って、今もメニューを指差して「これください」ですから。サイズの「グランデ」っていうのもなじめない、なじめない。“大でいいんじゃないの!?”と心の中で思っています(笑)。

――確かになじめませんね。

壇蜜 だから平成に慣れないまま「令和」を迎えて、“あれ? 私、周回遅れ2周目!?”みたいな気持ちがちょっとありますね。

――今年は令和元年。では平成元年の壇蜜さんはどう過ごしていたのでしょう?

壇蜜 30年前ですから、8~9歳、お受験をして東京の小学校に通い始めていた頃ですね。よく覚えているのは、祖母の影響で縫い物とか編み物を地味にやっていたということ。フェルトで誰が使うとも分からない財布、何を入れるとも分からない小物入れをひたすら作っていたんです。

――そういう子いましたね。

壇蜜 あとは、石油ストーブに、あの給油ポンプを使って灯油が入れられるようになったのが、ちょうどその頃だったと思います。家であれを任せられることが、ちょっと大人になったような気がしてうれしかったのを覚えているんです。

――若い子は、あのポンプの使い方も知らないんでしょうね。

壇蜜 灯油をうっかり床にこぼしたときは、中性洗剤でしっかり拭かないと、いつまでもヌルヌルしますよ。なんだかんだ言って、石油ストーブの暖かさが一番好きです。部屋が乾燥しますが、上にやかんを置いておけばいいだけです。

――そうです、そうです。

壇蜜 あと、コンビーフの缶が開けられるようになったのも、だいたい同じ時期ですね。

――平成元年頃にはまだ残っていた、昭和の風景なのかもしれません。

壇蜜 今の若い子たちは、コンビーフを開けられるのかな? 非常食として優秀で、何かあったときには本当に重宝する。私やおじさんたちは、何かあっても生き延びますよ(笑)。

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