もう一つ、大補強の誤算は“助っ人”外国人だ。「メジャー20本塁打の実績を引っ提げて入団したビヤヌエバですが、内角の速い球と外の変化球に弱い。2年目のゲレーロも不調で、2人揃って6日に2軍落ちしています」(前同)
前出の黒江氏も、「僕はキャンプのときから、心配だったんだけど、案の定ダメになっちゃったね。助っ人が働かないと、これから苦しくなりますよ」と、眉を曇らせる。もう一人、“新守護神”として獲得したクックも、誤算だった。
「わずか8試合(8イニング)投げただけで、右肩に違和感があると戦線離脱してしまいました。1軍に復帰しても、三振が取れず打たせて取るタイプなので、ストッパーとしては不安が残りますね」(前出の番記者)
50億円大補強のつまずきは他にもある。「オリックスから35歳の中島宏之と、マリナーズを退団した37歳の岩隅久志を獲ったことです。17年のオフ、巨人は功労者の村田修一を“チームの若返り”を理由に自由契約にしました。当時、村田は37歳。にもかかわらず、中島と岩隅を取ったのはなぜなんだと声が上がっています」(前同)
絶大な権限を持つ原監督にしてみれば、チーム方針などクソ食らえ、自分こそ“正義”ということか。
「コーチ陣にしても、高橋由伸監督時代から一新して、宮本和知と水野雄仁が投手コーチ、元木大介が内野守備コーチと、“イエスマン”を配置。由伸巨人から生き残った吉村禎章はナンバー2とされていますが、肩書は総合打撃コーチ。原監督はヘッドコーチを置かず、独裁的に采配を振るっているわけです」(同)
原監督は昔から、「仲間とそうでない人間を区別するタイプ」(同)だと言われ、それは記者陣に対しても同様だという。「懇意にしている記者の派閥がありますが、それ以外の記者には冷たいと、もっぱらですね」(同)
掘ってみれば問題が次々と噴出しそうな原巨人。だが、首位にいられるのは、「丸佳浩、坂本勇人が好調で、菅野智之、山口俊ら先発陣が崩れていないから。ひとたび歯車が崩れたら、一気に順位を落とすかも……」(デスク)
悲願のV奪還は、一本道ではいかなさそうだ。
現在発売中の『週刊大衆』5月27日号では、このほかにも、長嶋茂雄と矢沢永吉に学ぶ“生涯現役”の「8の知恵」を紹介している。