浅田美代子
浅田美代子

 映画『釣りバカ日誌』の浜ちゃんの愛妻役でおなじみの浅田美代子が、45年ぶりの主演映画『エリカ』で、ほぼ初となるラブシーンに挑戦! その撮影秘話から、親交の深かった樹木希林さんとの心温まるエピソード、そして、知られざるアイドル時代の恋愛話まで聞いた!

――浅田さんは、昭和のホームドラマを代表する『時間ですよ』(TBS系)の第3シリーズでデビューされたんですよね。

浅田 高2のときに、東京の神宮外苑にある銀杏並木の通りのバザールでスカウトされたんです。

――その後『赤い風船』で歌手デビューもされました。当時はかなり多忙で学校も中退されたとか。

浅田 そうですね。通っていた東京女学館は、そもそも親が入れたくてしょうがなくて、小学校のときに受けたの。でも、仲の良い友達と学校が離れるのが嫌で、面接で「お名前は?」って聞かれて「ないっ! ママ帰ろう」って(笑)。それで、すごく怒られたんです。不合格通知が来たときも「また怒られる~」って足漕ぎミシンの下に隠れてね。

――目に浮かびます(笑)。

浅田 それでも親はやっぱり入れたくて、中学入試で受かって。そこまでして入った学校だからこそ、ただ卒業証書だけをもらう為なら嫌だなって思って思いっきり辞めてしまおうと。

――本当に忙しい毎日だったんですね。

浅田 当時は歌番組が全盛で、生放送が毎日。その合間にドラマの撮影や取材があったからね。「もう嫌だ、行かない、休むっ!」ってストしたこともあって。

――そのときもミシンの下に隠れたんですか。

浅田 アハハハハ。そのときはベッドの脚にしがみついていたの。「あんた、自分で決めたんでしょ」って、親も困っていましたね。

――“おてんば”なイメージ、そのままですね。そんな浅田さんが、45年ぶりに主演を務められた映画『エリカ38』ですが、実際にあった女詐欺師・山辺節子の事件をモデルにしているんですね。しかも、企画をされたのは、昨年亡くなった樹木希林さん。

浅田 ばぁばとは『時間ですよ』以来のつきあいで。

――ばぁば?

浅田 ご一緒したドラマ『寺内貫太郎一家』(TBS系)で“きん”というおばあちゃんを演じていたこともあり、共演していたヒデキ(西城秀樹)も「ばあちゃん」って呼んでいたんですよ。でも、プライベートでお孫さんができてからは、みんな「ばぁば」って。娘さんの也哉子ちゃんも「ばぁば」って。電話も「ばぁばですぅ~」って、かかってきたんですよ。

――仲が良かったんですね。

浅田 そうですね。当時の私は、妙に生意気でね。『時間ですよ』のときも、田舎から出てきたお手伝いさん役だから、前髪を上げて、おでこを出したほうがかわいいよって言ってくださったんだけど、本番5秒前に髪おろしちゃって(笑)。

――反抗したんですね。

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4