タクシーチケットやマッサージ助成も!「金に困らず住みやすい街」全国ランキングの画像
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 無料配食にマッサージ助成、さらにタクチケ配布と、驚きのサービスを実施する自治体が全国に増加中だ!

 老後は自然豊かな田舎でのんびり、ゆったりと暮らしたい――都市部に住む中高年の多くは、そんな思いを抱いているはず。ところが、この「田舎暮らし」もそうそう甘くはない。

 各種調査で「老後に住みたい県」のトップは「暖かくて人情豊かな」沖縄県となっているが、いざ住んでみると、〈暑い〉〈台風が多い〉〈医療機関が少ない〉〈パート的な働き口があまりない〉などの困難に直面し、理想と現実のギャップから、再び都会にUターンするケースも少なくないという。このご時世、年金だけではやっていけないから、パート的な働き口は必要だし、あまり田舎だと買い物にも不便。また、病院や介護サービスが近くになければ、自分の身に何かあったときに不安がある。

 そこで今回は、60歳以上のシニアが住みやすく、しかも、金に困らない街はどこなのかを、徹底分析した。まず、60歳以上の世代が安心して暮らすのに必要な要素は大きく三つある。まず大事なのが経済面。シニア世代の仕事があるかどうか、その収入の高低、そして、物価や土地代、水道代などが安いかどうか。二つ目が、医療施設や介護支援体制が充実している、公共サービスが手厚いなどの、福祉や医療面。三つ目が、交通の便が良い、災害が少ない、気候風土が良い、買い物環境がある、高齢者の活動が盛んかどうか、などの居住性だ。この三つを、本誌が独自に数値化。その総合得点で全国約570の市区町村をランクづけしたのが、文末の地図と表だ。

 経済評論家の森永卓郎氏は、特に都市部で居住していた人は、いきなり人里離れた田舎に移住するよりも、都会と田舎がほどよく交じった「都会田舎」(トカイナカ)のほうが暮らしやすいとアドバイスする。首都圏でいえば、東京都心から電車で1時間程度の圏央道周辺がそうだという。「実は私も平日は都心で生活して、週末に家族が住む埼玉・所沢に帰るライフスタイルです。所沢はスーパーの食料品や雑貨やガソリンも安いし、農地も安く借りられるから、余暇を生かして自分の家で食べる野菜を作ることもできます。定年後は、こうしたトカイナカの生活のほうが経済的にも楽なんですよ」(森永氏)

 最近は年金もどんどん削られ、年金だけで充実した老後を過ごすには、あまりにハードルが高い。この点、トカイナカは都心に出れば仕事があり、最先端医療も受けられ、物価や各種公共料金(固定資産税、水道代など)も安い。

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