■詐欺の種類は3つに大別

 大きく分けると、詐欺の種類はオレオレ詐欺に代表される(1)〈振り込め詐欺〉、楽してお金が儲かる、などと投資を勧める(2)〈投資詐欺〉、(3)〈インターネット詐欺〉に大別される。

 前出の〈オリンピック詐欺〉は(2)、〈令和詐欺〉は(1)、〈国際ロマンス詐欺〉は(3)に該当する。

 以下、その分野ごとに近年被害の多い手口と、その防御法を紹介する。

(1)〈振り込め詐欺〉

 俳優の斎藤洋介は今年3月、次男をかたったオレオレ詐欺で100万円払ったことを、女性週刊誌で告白している。 昨年末、斎藤の妻の携帯に、まさに「オレだけど」の電話が。しかも「未成年者を妊娠させた」と言われ、妻が都内の公園に現れた弁護士事務所員を名乗る者に“慰謝料”として渡したという。67歳の現役俳優が、なぜ、だまされたのか!?

「その理由の一つは電話の声。直に聞く本人の声とは違って聞こえます。耳の遠い高齢者ならなおさらです。実際、あるネット番組で私が指導し、2人の芸人さんの親にやってみたところ、2人とも引っかかりました」(前出の多田氏)

 詐欺犯罪に詳しいジャーナリストの堀川嘉照氏は、こうアドバイスする。「高齢の親は、子どもや孫との間で、いざというときに備えて“犬といえば猫”などの符丁を決めておく。自宅の固定電話は留守電にしておいて出ないこと。本当に用がある人はメッセージを入れます」

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