■女性でも30個は「ペロリ」な、ゼロ円牡蠣
「いや~生ガキが無料で食べられるお店って世の中にないじゃないですか。特に、生で食べられる牡蠣は原価も高いから、そんなことやりたいお店なんてない。だからあえて始めてみたんです。
この“吸い放題”という言葉は僕が考えたんです。生ガキって吸うように食べるじゃないですか。カキフライも生で食べられる牡蠣で作っているので、当たる心配もないですね。お通し代として500円いただいているんですが、吸い放題の生ガキとは別で、お通しの一品も用意していますから、やっぱり生ガキはゼロ円ですね!」
と、ミツコばりのドヤ顔で語ってくれるのは小林氏。やはり、店で生ガキをゼロ円で提供していたのだ。小林氏に質問を続けた。
「1日お店でどのくらい生ガキが出るか? えーっと、無料で提供する生ガキだけで1日500~600個は出るみたいです、いや、出ます。1人どのくらい食べるか? えーえーっと、20個? いや、えっ、30個くらい食べるみたいです……。
……(ミツコ風に)どうもすいませんでした! 正直に言うと、僕はオーナーではあるんですが、店の運営、経営のほうは昔から仲良くしている友人に任せているんです。呼んでいいですか?」
ということで、小林氏のパートナーとして『牡蠣と魚』を支える、複数の飲食店やその他のビジネスを手掛ける若林和人社長にも同席してもらい、話の続きを聞いた。
「吸い放題の生ガキは、女性でも30個ぐらい食べますよ。うちのお客さんの8割ぐらいは女性なんです。女性は牡蠣が好きですからね~。
この店は内装、外装とも全部自分たちでやったんです。厨房の床からトイレの設置まで。開店初日には小林君に、砂利をずっと洗ってもらいましたね(笑)。業者に頼めば2000万円はするような工事でしたが、700万円ぐらいに抑えられたんですよ。
あと、さっき小林君が言っていた生ガキをどれだけ食べてもゼロ円のアイデアも、実は僕が考えたものです(笑)。“吸い放題”というキャッチは、まあ小林君が考えてくれたでいいかな……(笑)」(若林社長)
どうやら、店のほぼすべてを若林社長が見ているようだが、小林氏の出る幕はあるのだろうか?
「とにかく小林君はグルメ。だから、お店に顔を出してくれる際には、“一番のクレーマーでいてくれ”と伝えています。ただ飲み食いするだけでなく、メニューやサービスなどの改善のヒントを出してほしいんです」(若林社長)
「そうなんです! 職業柄いろんなことにツッコんだり、いつも周りのリアクションを見ているので気づいちゃうんですよ」(小林氏)
さて、吸い放題の牡蠣のほかにも、こちらは有料になるが他の牡蠣も食べられる。入荷は時期によって異なるそうだが、その日あったのは、石川県産の「七尾」、北海道産の「厚岸」、大分県産の「佐伯岩がき」、鳥取県産の「境ロックオイスター」などなどブランド牡蠣がずらり。