■イチローを世に出した仰木彬

 日本プロ野球、MLB通算4257安打でギネス世界記録に認定されている“安打製造機”ことイチローを、世に出したのはオリックスの仰木彬監督だった。

 イチローは前任者の土井正三監督に疎んじられ、2軍生活を余儀なくされていた。そんなイチローを仰木監督が1軍に昇格させ、登録名を「鈴木一朗」から「イチロー」に変更したとき、伝説が始まったのだ。

「仰木監督はイチロー独特の振り子打法をいじらず、“そのままでいい”と1軍に送り出した。イチローも仰木監督の信頼に応えて結果を出した」(専門誌記者)

 まさに、師弟の絆。イチローをポスティングで快くメジャーに送り出したのも、仰木監督ならばこそのことだったのだろう。

 栗山英樹監督と大谷翔平の関係も、仰木監督とイチローの関係に似ている。「栗山監督の功績は、なんと言っても大谷の二刀流を認めたこと。プロ入り当初から、野手か投手かどちらかに専念させるべきという声が殺到したが、栗山はガンとして受けつけず、“大谷を二刀流選手として育てる”という方針を貫いたんです」(日本ハム担当記者)

 日ハムでの二刀流の成功がなければ、今日の「メジャーでの二刀流」もありえなかった。そういう意味で、栗山は「二刀流の生みの親」とも言える存在だ

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