■巨人の歴史に残る大投手に

 藤田元司監督の下で大きく成長したのが平成の大エース、斎藤雅樹だ。89年、いま一つ伸び悩んでいた斎藤が藤田から声をかけられた。「今、オーバースローで投げているが、君の腰の回転はサイドスローに向いている。思い切ってサイドスローに変えたら、うまくいくんじゃないか」

 この藤田のひと言で斎藤が覚醒。巨人の歴史に残る大投手に成長したのだ。

 藤川球児星野仙一監督の下でストッパーとして頭角を現した。「阪神監督就任当時、星野は杉下茂氏を通じて、藤川にフォークを教え込もうとしたんです。杉下氏はフォークを投げる前提として、ストレートを磨いてこいと藤川に厳命。これが、“火の玉ストレート”と呼ばれる剛速球の誕生につながったわけですから、何が幸いするか分かりませんね」(在阪スポーツ紙記者)

 そして、今を時めく坂本勇人の売り出しを後押ししたのは原辰徳監督だった。最初は我慢しながら使って、使われ続けていくうちに成長していったタイプだ。「08年、坂本は松井以来となる10代でのスタメン入りを果たしました。二岡智宏のケガもあって、遊撃手として使われ続けたが、夏場には打率が2割2分まで下がるなど、2軍落ちのピンチがあった。だが、辛抱強く使われるうちに全試合スタメン出場を果たし、打率.257、8本塁打、43打点の成績を残し、1軍に定着したんです」(担当記者)

 それからの活躍は、ご存じの通りである。

 今日のプロ野球の隆盛を生んだ数々の師弟の絆――。さらなる師匠と名手の誕生に期待したい。

※一部敬称略

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