■群馬は温泉大国

 関東地方に目を移せば、温泉大国・群馬に注目。草津温泉、四万温泉、法師温泉など、多くの“長寿の湯”が存在しているのだ。「四万温泉は、青森の酸ヶ湯、栃木の日光とともに、国民保養温泉地第1号に指定された、歴史深い温泉地。硫酸塩泉は、四万もの病に効くと言われ、それが名前の由来となったという説もあるほど。特に、胃腸への効果が知られています」(地元紙記者)

 近畿では、日本有数の温泉地、兵庫の有馬温泉は欠かせない。「有馬温泉は、単純泉、二酸化炭素泉、炭酸水素塩泉、塩化物泉、硫酸塩泉、含鉄泉、放射能泉と、7つもの泉質を有する珍しい温泉で、皇族や天下の武将まで虜にしてきました。特に放射能泉は体の自然治癒力を高めてくれると言われていますね」(地元関係者)

 その歴史と、優れた泉質を、まずは一度体感してみたいものだ。

 歴史のある温泉地といえば、和歌山の白浜温泉も長寿の湯だ。「かつては、熱海、別府と並んで“日本三大温泉”といわれた場所。塩化物泉と炭酸水素塩泉の泉質は、前者は湯冷めしにくい“温まりの湯”の代表、後者は“美肌の湯”として知られています」(地元旅館関係者)

 “美肌の湯”と聞くと、長寿とはあまり関係なさそうな気がするが――。前出の小野氏は、「それは違うと思います」と力説する。「自宅の水道から温泉が出るような土地のお年寄りに会うと、皆さん、肌がキレイで若々しく、実際に健康な方が多いんです。温泉が肌の角質や老廃物を取り除いてくれることで、代謝が上がって血行が良くなる。結果、見た目だけでなく、体内年齢も若く保たれるのでは……」

 そして、九州の長寿の湯として挙げられるのが、鹿児島の霧島温泉。「霧島山中腹にある温泉郷で、坂本龍馬夫妻が新婚旅行に訪れたことでも知られています。中心的存在の丸尾温泉の泉質は、単純硫化水素泉と硫黄泉。糖尿病や生活習慣病の改善が期待できます」(旅行誌編集者)

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