■王貞治、長嶋茂雄…「史上最強ベストナイン」

 以上が、野村氏による「平成ベストナイン」だが、続いて、本誌で選出してくれた「史上最強ベストナイン」を発表しよう。平成ベストナインにもエントリーされている選手は、重複するので割愛する。

 史上最強メンバーの先発は“400勝投手”金田正一(故人)。170キロは出ていたとの証言もあるストレートはもちろんなのだが、野村氏は〈それ以上にカーブがすごかった〉(前掲書)と述懐する。抜群のスタミナも持ち合わせており、ダブルヘッダーが組まれることが多かった昭和30年代前半は、1日に2勝を挙げるなど常人離れした活躍を見せた。

 女房役の捕手には、謙遜しながらも野村克也本人を選んだ。「監督としてのイメージが強いですが、三冠王2回、歴代本塁打数2位など、打者としても超一流です。しかも、緻密な野球を実践する頭脳もある。謙遜する必要などなく、史上最強ベストナインの捕手は野村さんしかいないでしょうね」(デスク)

 二塁手には高木守道、遊撃手に吉田義男を選出。「高木さんは巧打に加え、“アウト寄与率”の指標で歴代トップの名手。吉田さんは、捕球と同時に投げる神業から、当時“牛若丸”と呼ばれましたよね。打撃は粘るので勝負強く、実は、あの金田さんが一番苦手にしていたのが吉田さんでした」(球界OB)

 外野では、中堅に福本豊が選ばれた。「ノムさんは、盗塁王13回、通算2543安打の福本さんのすごさは、“目”だと言っていました。盗塁に一番必要なものは俊足ではなく、“投手の癖を見抜くことができる目”なんだと」(球界関係者)

 史上最強ベストナイン、残すところは一、三塁手となったが、これは言わずもがなかもしれない。一塁手には王貞治、三塁手には長嶋茂雄を選出。〈ONを超える怪物はいなかったし、これからも現れることはないだろう〉(前掲書)と、最大限の賛辞を贈り、“不動のON”を迷わず選出している。ONのすごさは、数字だけではなく、触発されたライバルたちが切磋琢磨することで、プロ野球の人気が築かれたと分析している。〈こうしたONとライバルたちの力の限りを尽くした戦いが幾多の名勝負とドラマを生み、人々を魅了することになった。そう考えていくと、長嶋の巨人入りは「野球の神様」の思し召しだったのかもしれない〉(『私のプロ野球80年史』小学館)

「ノムさんが、ONに劣等感を抱えていたのは事実です。63年に年間本塁打52本の記録を作ったら、翌年、王さんに55本で記録を塗り替えられたし(笑)。記録では長嶋さんより上なのに、やはりファンは“ミスター、ミスター”と言う。結局、ONのすごさを一番理解し、一番敵愾心を燃やしたのがノムさんだったんでしょうね」(前出のOB)

 来シーズンは、どんなスターが登場するのだろうか。(文中一部=敬称略)

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