三田寛子の画像
※画像は三田寛子の1stシングル『駈けてきた処女』より

シリーズ「アイドルと結婚できる職業」

第21回 歌舞伎俳優

 先日、NHK大河ドラマ史上最低の視聴率を記録したが、ドラマファンからの評価が高かった『いだてん~東京オリムピック噺~』の放送が終わった。そして、この作品の主人公のうちの1人・金栗四三を演じた中村勘九郎は、“アイドルと結婚した”歌舞伎俳優である。その相手は、かつて“チャイドル”と呼ばれ、4人のローティーンアイドルによるユニット「Pretty Chat」としても活動した前田愛だ(09年に結婚)。2人はNHKのテレビドラマ『光の帝国』の共演で知り合って交際に発展したという。

 前田といえば……音羽屋の尾上松也は以前、某国民的アイドルグループのセンターメンバーだった人物との交際が報道されたことがある。

 後者は結婚には至らなかったが、歌舞伎俳優も立派な“アイドルと結婚できる職業”なのである。

 特に、勘九郎のように歌舞伎の枠を飛び出して、一般の映画やテレビドラマ、舞台などに出演するとそのチャンスは広がるようだ。

■さかのぼれば60年以上前の宝塚女優との結婚が元祖か!?

 歌舞伎俳優が女性アイドル、女優、歌手らと結婚した例は古くからある。なにしろ、今から60年以上前、1958(昭和33)年から存在するのだ。

 2代目中村扇雀(現・4代目坂田藤十郎)の結婚相手は、宝塚歌劇団出身で東宝の映画にも出演していた女優・扇千景だった。扇雀は歌舞伎界を離れて東宝専属の俳優として活動していた時期があり、その頃に扇と出会っている。なお、ご存知のように扇は国会議員として活動したが、初めて出馬したのは結婚から約20年後のことである。

 もうひとつ古い例を挙げたい。72年に4代目尾上菊之助(現・7代目尾上菊五郎=人間国宝)が、NHK大河ドラマ『源義経』での共演で知り合った藤純子(現・富司純子)と結婚した。藤は『緋牡丹博徒』シリーズなどで知られる東映のドル箱スターであり、その結婚はファンを、そして関係者を大いに悲しませた。なお、この夫婦の長女が女優の寺島しのぶだ。

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