■酒で長生き?

 酒はどうだろうか。「酒が肝硬変を引き起こす」は常識中の常識だが……。「飲み過ぎると、確かに肝硬変になります。ただし、肝硬変の原因は、C型肝炎ウイルスが約60%、B型肝炎ウイルスが約15%で、アルコール性肝炎は3番目なんです」(牧氏)

 つまり、酒を控えても、なる人は肝硬変になるという。しかも岡田氏によると、「飲みすぎると寿命を縮める一方、たとえば、ビールでいうと350ミリリットル缶を毎日飲んでいる人のほうが、まったく飲まない人より長生きしているというデータもあります。ほどほどの酒なら、むしろ毎日飲むべきです」というから、晩酌派の読者には朗報だろう。

 そうなると、「休肝日は必ず設けよ」というのも、誤った常識なのだろうか。「その通り。一日に一升瓶を飲むほどの大酒飲みは別ですが、ほどほどの酒なら、休肝日を設ける必要はありません」(前同)

 難しいのは「焦げを食べると、がんになる」という常識。牧氏が、こう語る。「国立がん研究センターの『がんを防ぐための12カ条』が改訂され、“焦げた部分は避ける”という内容が削除されています。焦げた部分というのは焼き魚を想定していたようですが、少し焼き過ぎて焦げた部分を食べる程度では、リスクはないという考えです」

 一方、魚の焦げより問題なのが焦げた肉。岡田氏が、こう続ける。「肉を長時間高温で加熱して焦げを作ると、肉の成分が発がん物質に変わり、大腸がんのリスクを高めます」しゃぶしゃぶ、すき焼きならいいが、焼き肉を食べるなら、焦げた部位は食べてはいけないという。

 以上、読者の皆さんが思い描く「食の常識」を一度、見直してみてはいかが?

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