■盛り上がり始めるのが遅すぎた?

 レンは10年前に双子の姉、リコを放火事件で亡くし、ネガティブな性格になっているが、ミスパンダに変身すると驚異的な身体能力を発揮する。また、レンを溺愛した母親は事件をきっかけに療養施設で生活しているが、かつてはリコを育児放棄し、おりに閉じ込めるなどの虐待を加えていた。

 一方、直輝は、Mr.ノーコンプライアンス(佐藤二朗/50)の指示で世の中のグレーゾーンにシロクロつけるため、レンを催眠術で操ってミスパンダに変身させる。また、8年前に刑事だった父親(田中圭/35)が突然失踪し、白骨遺体で発見されており、その真相を独自に追っている……。

 これらのてんこ盛りな伏線が複雑に絡まり、同時間帯で話題になったドラマ『あなたの番です』(同局系)のように、一部視聴者はレンと直輝についての“考察”で盛り上がってはいた。しかし、視聴率は第1話の9.5%(ビデオリサーチ調べ/関東地区/以下同)からズルズルと落ちていき、多くから支持されることはなかった。

 ところが、現時点で視聴率の最低値(6.7%)を記録した第5話からドラマは急展開を迎え、皮肉にも目の離せない内容になっている。偽ミスパンダの登場により直輝とミスパンダが事件に巻き込まれ、犯人を追い込む立場から一転、警察に追われるようになったのだ。

 また、レンは精神科医の門田(山崎樹範/46)によって、リコと人格を入れ替えられたことが明らかに。さらに、正義の立場と思われていたMr.ノーコンプライアンスが、実は直輝たちを追い詰める黒幕であることも匂わされるようになった。

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