何か質問されたときの彼女はまず「はっ!」と言う。そして、丸い目をくるくると動かして斜め上を見渡す。中空に漂う言葉を一つひとつ拾い上げるように、言葉を紡ぐ。必然、沈黙が多くなる。綱渡りのような発言に、ちゃんと最後まで渡りきれるのか、見ているこちらはヒヤヒヤする。

 そんな彼女の危なっかしさと目の離せなさ、そして魅力を、今回思い出した。

 ただ、以前とは少し変わっていたところもある。彼女の発言には相変わらず沈黙が多く含まれるのだけれど、その沈黙は短めになっていたように思う。以前はあったのだ。何かを聞かれて10秒以上、ときには20秒以上も沈黙してしまうシーンが。完全に黙り込んでしまう場面が。共演していたマツコ・デラックスが「新しいテレビだね」と評す、そんな桁外れの沈黙が(日本テレビ系『月曜から夜ふかし』2014年8月18日)。

 長い沈黙期間を破ってテレビ番組に立て続けに出演した彼女は、以前よりも沈黙が短くなっていた。能年玲奈がのんになって4年。再び長い沈黙期間に入らないことを、改めて願う。

(文・飲用てれび)
 

テレビの中の女たち

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