■阪神タイガースは藤浪晋太郎が不可欠

 昨季、CSに進出した阪神はどうか。「エースの西勇輝は堅調。首脳陣の期待は、低目を攻める投球で昨季9勝を挙げた青柳晃洋に集まっています。中日から移籍したガルシア、制球力がある新助っ人のガンケルが、メッセンジャーの穴を埋められるかも注目です」(虎番記者)

 ただ、阪神がV戦線に絡むためには、藤浪晋太郎の復活が不可欠だという。「イップスが収まってきて、オープン戦では好投も見せた。球の“すっぽ抜け”も激減しましたね。ただ、無観客試合だったのが気になる。大観衆を前に同じように投げられるか」(前同)

 広島のエース、大瀬良大地は、「カットボールのキレが戻った」(球団関係者)とする一方、「速球に往時の勢いなし」(前同)と吉凶入り乱れる。注目は“球界のご意見番”張本勲氏が新人王候補に挙げる森下暢仁だ。「大学No.1投手として、明大からドライチで獲得した選手。大きく落ちるカーブは一級品。2ケタ勝利もありうる」(広島番記者)

 中日の開幕エースは、プレミア12で日本代表にも選ばれた大野雄大。「大野は今オフにFA宣言するのが既定路線なので、高く売り込むために今季はやる気が違います。ただ、先発陣は手薄と言わざるをえない。柳裕也、小笠原慎之介、笠原祥太郎、梅津晃大と若手が多く、“星勘定”が難しいんです。好材料は、ケガで出遅れたロメロが、開幕延期で間に合う可能性が出てきたことぐらい」(中日番記者)

 若手の中から覚醒する選手が出なければ、今季も苦しいペナントになりそうだ。

 昨季は最下位に沈んだヤクルト。高津臣吾新監督のもとで復活を期すが、40歳の石川雅規に開幕投手が託されたことからも分かるように、投手力に乏しい。「昨季のチーム防御率は、12球団ワーストの4.78。ドラフトは4位まで投手を指名しましたが、ルーキーだけに実力は未知数です。ただ、ドライチの奥川恭伸は、ドラフトの目玉だった佐々木朗希よりも実力は上、と評価する球界関係者も少なくありません。奥川が、いつ出てくるかですね」(前出のデスク)

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