乃木坂46与田祐希/画像は本サイトの記事より抜粋(https://taishu.jp/articles/-/62815)
乃木坂46与田祐希/画像は本サイトの記事より抜粋(https://taishu.jp/articles/-/62815)

乃木坂46「個人PVという実験場」

第6回 乃木坂46の映像作品に『可笑しみ』をもたらした山岸聖太 4/5

■レコード大賞獲得作品でも同様のスタンスを貫く

 2017年、山岸聖太が乃木坂46の映像作品に携わるようになって5年目に、彼は初めてグループのシングル表題曲のMVの監督を務める。それが18枚目シングル『逃げ水』だった。この年から2年連続で「日本レコード大賞」の大賞を獲得する乃木坂46は、この時期すでに日本で最もポピュラーなグループのひとつになっていた。そのアーティストのシングル表題曲MVを手掛けるにあたって、山岸はとりたてて最大公約数的な表現へと軌道修正することもなく、これまでと同様のスタンスで不条理な世界を生きる住人たちを生み出してゆく。

https://www.youtube.com/watch?v=nhrXbPlpdQQ
(※「逃げ水」MV)

 このMVでは乃木坂46メンバーたちが、山岸作品らしい可笑しみを誘う不条理性を体現しているが、同時にそうした人々をエトランゼとして遠巻きに観察する人々もまた描かれる。その異邦人の立場を担うのが、シングル表題曲初参加にしてWセンターを託された3期生の大園桃子与田祐希だった。

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