■善意からのデマが怖い

 熊本県の田嶋徹副知事も、デマを拡散してしまい問題となっている。

「副知事は、9日に友人からLINEで流れてきた“東京の日本赤十字社医療センターの医師のメッセージ”を鵜呑みにして、県幹部や友人ら約10名に拡散してしまったことが、4月15日の『朝日新聞デジタル』で報じられています。

“私の病院のコロナ病床は満床”、“すでに医療崩壊のシナリオも想定され始めている”という文言を、真偽を確認せずにそのまま拡散してしまいました。副知事はこれについて、14日夜に記者会見を開いて陳謝しています。

 似た文言のメッセージは各地のSNSで拡散されていて、日赤医療センターは問い合わせの対応で業務に支障をきたしていることも報じられています。

 同じような例として、愛知県警広報課が4月10日に“深く息を吸って10秒我慢し、せきや息切れなどの症状が出なければ、感染の可能性は低い”という、WHOに否定されている誤情報をツイッターに投稿して問題になりました。ツイートは同日中に“正確な情報ではなかった”と謝罪し、12日に削除しています。これについて、愛知県警は朝日新聞の取材に対して“県民の不安を少しでも和らげたいと思い、結果として不確かな情報を提供した。県民に不安を生じさせてしまった”とコメントしています。

 副知事や愛知県警のように、善意で行動した結果、デマを拡散させてしまう事例は決して珍しいことではありません。だからこそ、デマは怖いんですよ……」(前出のライター)

 新型コロナウイルスが蔓延して、先行きの見えない状況だからこそ、正確な情報源で確認することが重要になってくる。

「厚生労働省の公式発表や、毎日、東京都の公式YouTubeチャンネル『tokyo』などでライブ配信される、小池百合子都知事によるメッセージなどの公的情報に目を通すこと。

 SNSでは、関係省庁や専門機関による公式アカウント以外から発信される情報を、安易に信じないこと。単純なことですが、それがいちばん重要です。

 また、3月10日の毎日新聞では、ソーシャルメディアに詳しい桜美林大学の平和博教授が”驚くような情報や、”知り合いに知らせなければ”と思うような情報は、いったん深呼吸して情報の出所を確認した方がいい”とコメントしています。SNSが発達して、デマの拡散速度も飛躍的に上がってしまった時代だからこそ、気を付けていきたいですね」(同)

 デマを広めてしまわないためにも、SNSにはじゅうぶんな注意をーー。

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