1998年3月、UFCに初参戦し、怪人・キモを圧倒した
1998年3月、UFCに初参戦し、怪人・キモを圧倒した

バナー題字・イラスト/寺田克也

 

 90年代から総合格闘技の最高峰UFCにレギュラー参戦し、“世界のTK”の異名を持つプロ格闘家の高阪剛

 この3月に50歳の大台に乗った今も現役ファイターとして闘う傍ら、2005年にオープンした自身が主宰する道場「アライアンス」で、長く後進の指導にも当たっている。

 現在、「アライアンス」は東京・赤坂の本部道場と、千葉県成田市のゴールドジム成田内でクラスを持つ成田道場の2カ所で活動中。赤坂の本部道場は、所属選手だけでなく、多くのプロファイターが出稽古にやってくることでも知られている。

 そんな現役と指導者両方の顔を持ち、ファイターが現在置かれている状況にも詳しい髙阪に、新型コロナウイルス感染が拡大する中での道場と選手の現状。そして、この局面における考えを聞いた。

 現在、赤坂本部道場、成田道場とも閉鎖されている「アライアンス」だが、4月7日に政府から緊急事態宣言が発令される前までは、本部道場のみオープンしていたという。

「行政の方針がハッキリと出るまでは、規模を縮小してジムは開けていたんですよ。成田の方はゴールドジムがすでに休館になっていたので、それにともない道場も閉めていたんですけど、赤坂の本部道場は幸い、窓を全開にできる構造なので、換気をしっかりとした上で、最低限のことをやっていた感じです。

 ただ、濃厚接触になるスパーリングは行わず、人と人との距離をしっかりと取った上での個人練習ですよね。またプロの練習は、週3回やっていたのを週1回に減らして、「練習の感覚を失わない」ことを主軸として有志だけでやっていました。自宅で自主練する人は、そうしてもらってね。

 それが4月に入って政府から緊急事態宣言が出され、東京都の方針も出されたので、その日から当面の間、本部道場もすべてクローズすることになりました。『今できる最大限の注意を払って生活をしていき、その次に格闘技のことを考えようよ』ということですね」

セコンドとして、的確なアドバイスと熱い檄を飛ばす
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