■実は社会派な側面を持つ鶴瓶師匠
過去に鶴瓶を乗せたタクシー運転手はこう話す。
「かなり前のことになるんですが、お乗せしたことがあるんです。芸能人の方は何度も乗せていますが、たぶん、いちばんおしゃべりなのが鶴瓶さん。9割鶴瓶さんが話してました。テレビのまったくあのままの感じでお話しになります。名乗りはしませんでしたけれども、どう聞いても鶴瓶さんで(笑)。見た目ではまったくわかりませんでした。トレーニングウェア、映画の『ロッキー』みたいな服装されてました。眼鏡かけて」(タクシー運転手)
その会話の内容が、意外なものだったという。
「もう、乗ってすぐに“運転手さん、拉致被害者の方っていまどうされてんのかな?”とおっしゃって。“なんとかしないとなー”としきりに言ってました。いつも見ているテレビでは、あまりそんなイメージがなかったので、正直、意外な印象がありましたね」(前同)
鶴瓶は、バラエティでは実に親しみやすい雰囲気のタレントだが、2008年に戦後、“BC級戦犯”として理不尽な死刑判決が下った男を描いた『私は貝になりたい』や、戦艦大和建造をめぐる2019年の『アルキメデスの大戦』、精神科病棟の患者たちの物語『閉鎖病棟 ―それぞれの朝―』で元死刑囚の男を演じたりと、俳優として社会派の作品に数多く出演している。
親しみやすさを武器にしながら、言うべき時は言う。鶴瓶のタレント力が改めて注目されているーー。