■失敗した“原作付き”作品
逆に、失敗してしまった例では、2017年の『斉木楠雄のΨ難』や、2020年の『ヲタクに恋は難しい』があるという。
「『斉木』の原作は、超能力者の斉木(山崎賢人)が平穏を望む姿を描いたコメディ漫画です。その雰囲気を再現しようとしすぎたあまりに役者の衣装がコスプレのようになってしまい、評判が悪かった。また、橋本演じるヒロインが原作と別人レベルの“性悪女”になってしまったのも、評判を下げた要因ですね。橋本の演技そのものは、突き抜けていて面白かった、と評する声もありますが、 特報の時点で斉木が視聴者に向かって“山崎賢人、実写やりすぎじゃね? と思いましたね。お見通しです”と話す自虐ネタがあったり、笑える要素もあるんですけどね……」
『ヲタ恋』は、『斉木』以上に視聴者のひんしゅくを買ってしまったという。
「パンフレットのインタビューで“勝手に想像したヲタク文化をやっちゃうと、おそらくこの映画はダメになる”と福田監督は話していたんですが、残念ながら一昔前の『オタク文化=気持ち悪い』のイメージで作られている、と指摘する原作ファンがかなり多かった。役者の演技そのものは上手く、高畑充希のミュージカルの歌声も高評価だっただけに、残念ですね。『銀魂』の成功で、実写化作品に対する期待値が上がっていたのも、多少影響しています」
『三國志』も、超古典の原作付き作品。コメディにするだけでも、ヒットさせるのは相当ハードルが高くなるが、公開前から山田の件でケチが付いてしまった。ムロ演じるいかにも怪しげな孔明、佐藤二朗の董卓など見どころも多そうだが、はたしてーー?