■薬物で逮捕された江夏豊も

「ヤンチャな男の週刊誌」を謳う本誌だけに、登場する選手にも“ワルの色気”が漂うご仁が多い。その代表が、江夏豊。89年5月29日号の「マッコー1本勝負 オレは村田だ」では、歌手の村田英雄から「男の美学とは?」と問われて、こう答えている。「絶えず前向き。弱虫だから、よけい前を向くんでしょうね。一流の野球選手はみんな臆病ですよ。金田正一しかり、落合(博満)にしたって、臆病だからこそ、同じ失敗を二度と繰り返さないように慎重になる」

 その後、95年4月に逮捕された江夏だが、本誌は約5か月後の9月4日号「パンチ佐藤の対談をお願いシマっすっ!!」にさっそく、お招きしている。ここで、伝説の「オールスター9者連続三振」についての秘話が明かされる。「最後のバッターをツーストライクまで追い込んだとき、緊張感で、早く終わりたかったのが本心だな」

 その際、キャッチャーの田淵幸一に放った「捕るな!」発言の真意は、別のところにあったという。「とにかく早く終わらせたいやろ。バッターがファウルを打った時、キャッチャーに、追わなくてもいいから早く勝負しようっていったんだよ」

 当時、球界を席巻していた安打製造機・イチローについても“らしい”ひと言。「それにしてもイチローはいいな。塀の中で新聞を読んで噂は聞いていたけど、出所して実際に見たらやっぱり本物だったね」

 江夏の盟友として知られるのが、鉄人・衣笠祥雄。91年1月28日号の「美川憲一の『“あんた”ナニしてんの?』」に登場。美川から、桑田真澄江川卓らプロ野球選手の間に財テクが流行している風潮について聞かれると、一本気な衣笠らしい答えが返ってきた。「生き方としては、カネカネカネの今の時代に合ってるんでしょうけどね。ボクは合いませんね。野球を天職というか、ただ一つのことを見つけて、それを全うできたら幸せというタイプですから。(中略)人生にカネも計算もある程度は必要ですけど、それだけじゃない」

 最後に、95年1月16日号にて、オリックス監督の仰木彬が、教え子でもあるパンチ佐藤の「ドンパチ対談」に登場した際に残した名言を記しておこう。「プロ野球やから、お客さんが入って、なんぼやろ」

 そう、これこそがイチローを育て、清原和博に男の花道を作り、ファンを喜ばせてきた男の哲学。レジェンドの味わい深い名言は、我々を元気にしてくれる!

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