近年のTBSドラマの当たり率はすごい。ナニコレ面白いと思ったら、たいていTBSだ。火曜夜10時の「火曜ドラマ」枠も、今年に入ってから『恋はつづくよどこまでも』から『私の家政夫ナギサさん』まで快進撃が続いている。
そして9月15日に初回を迎えた『おカネの切れ目が恋のはじまり』も世帯平均視聴率が11.6%(ビデオリサーチ調べ/関東地区)と2桁越え。私も見た後、自然に口に出た。「ヤダ面白い!」と。
正直、中盤までは、松岡茉優(25)演じる「清貧女子」である九鬼玲子のキャラがカンに触った。シレッとした顔でお気に入りのお菓子を1つだけ買い、「よきかな」と言いつつゆっくり食す。なにこのドヤ感。ところが結局、それがラストでゴロッと「あなたもこっち側でしたか、ごめんごめん!」と親近感に変わるマジックにまんまと引っ掛かった。恐るべし、松岡茉優と脚本家・大島里美。
ヒロインだけではない。板垣純(北村匠海/22)の存在も身につまされる。飲み会での割り勘への不満、強制参加についての板垣の心の声は、「そうそう!」とうなずいた人も多いのではなかろうか。顔色の悪さもリアルで、序盤、役ではなく本当に具合が悪いのではと本気で心配した。