■“スリップ”で元の状態に戻ってしまう人も
山口は、2019年8月の『女性セブン』の取材で順調に回復しているかのような発言もしていたが……。
「アルコール依存症というのは、強い飲酒欲求との戦いです。治療をいくら頑張っても、一度でも飲んでしまったら、アウトです。こうした状況を“スリップ”といって、再飲酒をして元の状態に戻ってしまう人も多いのです」
一生、飲酒を断ち続けないといけない病気ではあるが、欲求と戦い続けるのは難しい。
「根性だけでこの病気と戦っていくのは難しいです。飲酒欲求に勝つためには、アルコール依存症に関して勉強して、さらに、その知識を積み重ねていくことが重要です。
アルコール依存症は、ある一定のラインを超えると脳がやられてしまい、正しい判断ができなくなってくるのです。病気の深刻さを受け止められるだけの脳の力があるのかどうか、判断力が曖昧になっている可能性もありますから、ちゃんとした知識を身につけて、“自分は飲んではいけない”という意識を持つことが重要です」