先だっても土曜のまだ早い夕刻に珉亭を訪れ、1階の小卓でバンジー(税抜600円)という巨大手羽の煮込み冷製に舌鼓を打ち、プハーとビールを飲み下すうち、あれよあれよと2階にグループ客が吸い込まれていった。色紙をじっくり眺めようにも無理。そこでアイドルとは言わないが、夏帆のような女優の色紙を現認するのが目的だったのに……。

 それだけの繁盛店。芸能人がお忍びで来ても溶け込めるのだろう。そして、夏帆が別口でここへ来ていたという証言も思わぬところから得られた。やはり俳優の松尾諭が夏帆と共演した番組のHPで、昼休みをここで取ったと書き込んでいるのだ。

「ロケの合間に夏帆ちゃんや高橋努くんらと珉亭や 新雪園や王将で一緒に中華を食べながら培った絆が、きっと作品に表れていると思います」

 これはテレビ東京で毎週金曜深夜0時12分から放送中のドラマ24枠内で放映された、『下北沢ダイハード』第10話(17年9月22日放送)でのエピソード。実際に下北の小劇場で活躍する人気劇作家11人が書き下ろし、気鋭の映像作家たちが演出する一話完結型オムニバスドラマに夏帆も出演。そこで夏帆は「悪魔にとり憑かれた」ロックバンドの紅一点ボーカリストを演じたのだ(残念ながら歌声は私立恵比寿中学の真山りかによる吹替だったが……)。

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