元AKB48渡辺麻友の「天性の正統派アイドル」が名実ともにトップに上り詰めるまで【アイドルセンター論】の画像
渡辺麻友

なぜ彼女たちは「センター」に立ったのか⁉
アイドルセンター論
AKB48 渡辺麻友(前編)

 2020年6月1日、元AKB48で俳優として活躍を続けていた渡辺麻友の芸能界引退が発表され、衝撃が走った。2017年に卒業をしてからは俳優業に力を入れており、主役としてもバイプレイヤーとしても存在感を発揮していただけに、突然の知らせに驚きを隠せなかったのが正直なところだ。

 AKB48時代に正統派アイドルとして、その姿勢を完璧に貫き通してきた彼女の背中は、アイドルを志す若者たちの手本となっている。

 今回はそんなアイドルの中のアイドル、渡辺麻友についてこれまでの活躍を振り返ることから始めたい。

 今でこそ正統派として語り継がれているが、小さい頃からアイドル然とした存在だったわけではない。渡辺は「みんなにも『あいつしゃべりづらいし、暗いし』って思われていて。本当に一人も友達がいなかった」と当時を暗黒時代として回顧しているほどだ(渡辺麻友写真集『知らないうちに』より)。

 そんな彼女もAKB48に魅せられ、12歳で「第三期AKB48追加メンバーオーディション」に合格すると、11年もの間、正統派アイドルとしてAKB48や派生ユニットの渡り廊下走り隊としても活躍し、前田敦子大島優子篠田麻里子板野友美高橋みなみ小嶋陽菜らと共に「神7」として人気メンバーに推されていった。

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