2012年にはソロアイドルとしてもデビューを果たした渡辺。自身が主演を務めた『さばドル』の主題歌となった『シンクロときめき』では明るくポップな曲調で正統派アイドル路線を継承。その後も端正な顔立ちとアイドル然とした佇まいが活かされたソロ曲がリリースされ、古き良き昭和のソロアイドルを彷彿させるものとなった。

 数々のアイドルを手掛けてきた秋元康をして「天性のアイドル」と言わしめた渡辺。卒業公演ではの歌唱後にマイクを置いて立ち去るという山口百恵を思わせるパフォーマンスを見せていたが、これも正統派を貫いてきた彼女にしかできない幕の下ろし方だったように思う。後編では正統派アイドルとしてセンターを務めた渡辺の魅力とAKB48における特異性について考えていく。

(文=川崎龍也)

アイドルセンター論

あわせて読む:
・深川麻衣「乃木坂46の聖母」から「大人の女優」に変身【アイドルグループ「最年長メンバー」列伝vo.3】
・町田穂花「其之四 町田穂花が考えるラストアイドルでの最終目標」【画像24枚】【連載】ラストアイドルのすっぴん!vol.32
・峯岸みなみ「女子メンタル優勝」で掴んだグループを超えた「バラエティ女王」への道
・深川麻衣、高山一実、生駒里奈の個人PV「食シリーズ」の変化【乃木坂46「個人PVという実験場」第13回1/4】

  1. 1
  2. 2
  3. 3