人気メンバーに推されながらも、表題曲のセンターに選ばれたのは、意外にも2006年の加入から約9年後の2013年にリリースされた『So long !』が最初だ。次期センターとは言われながらも絶対的センターの前田敦子の存在もあり、センターに立つまでには天歩艱難だった。

 しかし、翌年の2014年に開催された「AKB48 37thシングル 選抜総選挙」では15万9854票という当時の最高投票数を獲得し、実力でトップの座に上り詰めた。

 前年の1位指原莉乃との一騎打ちの様相を呈していたこの選抜総選挙。速報時点では指原がリードしており、渡辺が逆転できるかどうかということが争点となっていたが、第1位に渡辺の名前が呼ばれると、涙を滲ませながらも凛とした佇まいでスピーチを披露。渡辺のAKB48にかける情熱とファンの思いが1つになった瞬間であり、ついにこの時がきたと長年応援してきたファンならば思わずにいられなかったはずだ。

 選挙の結果を受け、渡辺は37thシングル『心のプラカード』でセンターを務め、前作『ラブラドール・レトリバー』に続き2作連続単独センターとなった。その後も38thシングル『希望的リフレイン』で宮脇咲良と共にダブルセンターを務めるなど存在感を発揮。渡辺のラスト楽曲でありセンター曲の『11月のアンクレット』まで表題曲のセンターからは離れてしまったが、グループの中心として前田敦子卒業後のAKB48を牽引してきた。

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