昨年末に出版した写真集が異例の売上を伸ばすと一躍、時の人となった彼女。自身の人気については「ブームって一時的だからブームなんですもんね」と冷静だ。理想は、タピオカやパンケーキのようにブームとして過ぎ去っていく存在ではなく、「ずっと安定してある」「あったらつい手が伸びちゃう」豆大福のような飽きられない存在。そのためには、商品としての自分を磨き続ける。

「求めてくださいってただ座ってるだけじゃ、誰も求めてくれないから。使い捨てられてたまるかって思います」

 テレビの期待に答える姿。テレビの期待に抵抗する姿。その間ですっぴんを晒しながら悩む姿。彼女はカメラの前で、さまざまな“田中みな実”を見せていく。田中のイメージは乱立する。あなたにとってプロフェッショナルとは。そんな番組恒例の問いに、彼女は「相手が望む以上のものを、安定的に供給できる人」と、環境に対して受動的とも能動的ともとれる答えを返した。

 そしてさらにそんな田中を、テレビは別のレイヤーから捉える。『M 愛すべき人がいて』で奇天烈な演技を見せた田中。眼帯をつけて目をむくその彼女の映像に、ナレーションが重なる。

「田中さんは、どんな変化をも厭わず、求められるものに120%の力でぶつかっていった」

 それはまるで『プロフェッショナル』のセルフパロディのようだった。ネタとして語られる田中の姿がそこにはある。番組をまたいで山里が行った「あえてすっぴんを見せる」戦略家としての彼女の解釈も、そんなネタ化のひとつだろう。最近は「あざとい」自分を積極的に見せている彼女自身、そんなネタ化を利用している面があるだろう。

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