卒業に際し各所で白石が語ったのは”乃木坂らしさ”を受け継いでいってほしいという願いだった。ラストシングルとなった『しあわせの保護色』では乃木坂らしさを出すために楽曲のアレンジを提案したり、イベントで披露する衣装についても乃木坂らしいものを提案したりと、積極的に動いていたことを明かしていた(『白石麻衣 乃木坂46卒業記念メモリアルマガジン』より)。

 乃木坂らしさは乃木坂46の魅力であり、根幹を成すもので、これがあるからこそグループとしての統一感が表れてくるものだ。まだAKB48のライバルグループと言われていた結成時から9年間をずっと第一線で活躍してきたからこそ、誰よりもアイデンティティとしての乃木坂らしさを大切にしてきたのだろう。

 これほどグループ全体を考えて行動できるアイドルはそう多くはない。その意味でも白石の存在はグループにとっても稀有な存在だったのではないだろうか。だが、白石の卒業を悲観する必要はまったくない。乃木坂46はこれからも変わり続けるだろうが、白石が残してきた思いは2期生、3期生、4期生のメンバーが受け継いで、継承していくはずだ。

 白石は『白石麻衣 乃木坂46卒業記念メモリアルマガジン』(講談社)で「後輩たちがどんどん成長して、ポジションも変わって、みんなで新しい乃木坂46を作ってる感じがしたので、すごく頼もしいなって感じています」と後輩へ信頼を寄せている。白石卒業後の乃木坂46の未来は明るい。

(文=川崎龍也)

アイドルセンター論

あわせて読む:
・西村歩乃果「ラストアイドルファミリー最年長」はヘアメイクからアイドルに華麗に転身!【アイドルグループ「最年長メンバー」列伝vo.6】

  1. 1
  2. 2