道重は、2003年に「モーニング娘。LOVEオーディション2002」に合格し、亀井絵里、田中とともに6期メンバーとしてグループに加入している。その最終オーディションの模様はテレビ東京のゴールデンタイムで放送されている。つまり、当時はまだモーニング娘。がアイドル界のトップに君臨していた時代だった。

 歴代のモーニング娘。メンバーに“歌唱力に難あり”の人物は極めて少ないが、その貴重な1人が道重だ。オーディション時の彼女のボーカルは、難ありどころか、事故レベルだった。また、テレビカメラの前で堂々とはしていたが、歌やダンスの指導者に対し、挨拶や返事も満足にできなかった。ルックス面を抜きに考えると、一般的な感覚では不合格だろう。だが、そんな彼女を合格とした事務所側の判断は正しかった……。

 道重加入から数年でモーニング娘。から黄金期のメンバーが次々に卒業していき、2007年に藤本が去ると、5期メンバーの高橋が最年長メンバー、リーダー、センターボーカルを兼ねた、いわゆる“プラチナ期”が到来する。この間、モーニング娘。はライブを重視し、パフォーマンス性の高さを追求していった。高橋がリーダーだった時期は4年以上続いた。それは、AKB48がアイドル界の覇権を握った時期と重なる。

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