■ライバル、ネイサンの夢は「医者になること」

 そこまでして彼が“学び”にこだわった理由はなんだったのだろう?

「羽生は“eスクールでの学修は、自分で時間のやりくりや、気持ちの切り替えを学ぶ機会になりました。学びの場を作るのは自分次第だなって。学びきる気持ちがあれば、自分の価値観や知識に影響を与えてくれる場になります。せっかくの学びを無駄なものにだけはしなくない。その思いは強かったです”と、当時の心境を振り返っています」(前出のスポーツライター)

 ちなみに羽生の最大のライバル、ネイサン・チェン(21)も米国の名門、イェール大学で学ぶ現役の大学生だ。

「ネイサンはスケーターを続けながら“将来は医者になる”という目標も公言しており、競技と学業を両立させています。普通に考えたら、あまりに無謀な“二束のわらじ”のような気がしますよね。

 しかしネイサンは、大学入学後のインタビューで、“大学で勉強をはじめてから、新しい世界が開けた。世の中はスケートがすべてではないという当たり前の現実を実感し、気持ちが楽になった”と語っています。学業を続けることで心に余裕が生まれ、競技にも良い影響をもたらしているのでは、という声も上がっているほどです」(前同)

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4