■「ベストを尽くすことができた」

 そして、春馬さんも生前、『天外者』について、役者という仕事について言葉を残していた。今年4月の著書『日本製』(ワニブックス)のインタビューで、

「史実を扱う責任の重さや自分の意識の変化を実感した」「プロジェクトがあり、一つの作品を作るうえでこんなにも大勢の人が関わっているという実感をいつも以上に感じられる現場だった」

「五代さんを演じた期間はとても充実していたし、三浦春馬という俳優としても、ひとりの男性としても、ベストを尽くすことができたと胸を張って言える作品になった」

 と、語っていた。役者として、非常に真摯に“五代友厚”を演じていたのが伝わってくる。

「ちなみに、田中監督が言うには、春馬さんは五代が大隈重信に宛てた『上に立つ者の心得五ヶ条』を読んで五代友厚という人間を理解したほか、監督に“これと同じ思いの四字熟語があります”として、実は監督自身も大切にしていた儒教の徳目である“忠信孝悌”(※誠意を込めて親や目上の人に仕えること)を、春馬さんは紹介していたそうです。漢詩や故事成語にも精通していたあたり、本当に勉強家だったんですね……」(前出の女性誌記者)

 役者として生き、多くの言葉を残してきた三浦春馬。彼が遺した多くの言葉は、五代のようにこれからも語り継がれていくーー。

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