■がんを抑制する作用も

 そして、タコ足や牛スジが欠かせないのは、大阪の【関東煮】。東京おでんが関西に渡り、その呼び名になったといわれている。

「タコはタウリンたっぷりで、トップクラスのスタミナ食。タンパク質も豊富です」(イクコ氏)

 他の食材も栄養価が高く、「関東の地域では魚系の具が多い傾向がありますが、大阪では牛スジなどの畜肉系の具やサエズリ(クジラの舌)が入ってきます。その分、コクがよく出ているのが、だしの特徴でもありますね」(紀文広報)と深い味が楽しめる。

 ちょっと珍しいのは、ゴボウ巻き、牛スジなどを煮込んだおでんを、ショウガじょう油をつけて食べる【姫路風おでん】。

「ショウガのショウガオールは血行を促進し、体を温めて免疫力をアップさせるうえ、新陳代謝も活発にします。また、殺菌作用があり、がん細胞の増殖を抑制する作用も確認されています」(医療ジャーナリスト)

【鹿児島風おでん】は、豚が名産ということもあり、だしのベースも豚。特に何かと忙しい年末には、豚肉のビタミンB1で疲労回復を図りたい。

「麦みそで味つけした甘めのだし、大豆モヤシや、さつま揚げが入ります」(前出の紀文広報担当)

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4