■原作のアレンジ力が段違い

 特筆すべき点として、『MIU404』と『カネ恋』以外は原作付きの作品ということが挙げられる。

「いずれも小説や漫画が原作なんですが、いずれも原作を大幅に改変していているんです。原作モノでのこうした改変は、不評を買うことも珍しくない。たとえば日本テレビの『極主夫道』が原作にいない“主人公の娘”を登場させたり、地味なアパートをオシャレな洋風の一軒家に変えた結果、SNSがしばらく荒れていましたね」(専門誌記者)

 しかし、TBSドラマの場合、大幅な改変が大成功している。代表例が、『半沢直樹』と『テセウスの船』だ。『テセウスの船』は、「原作と真犯人が違う」という告知が原作者からアナウンスされ、犯人の考察で大いに盛り上がった。

「『半沢』はすごいですよ。まず、代名詞の“倍返しだ!”が、原作だとほとんど使われていない(笑)。さらに、香川照之(55)演じる大和田常務は原作にもいましたが、第1シーズン最終回の名シーン“土下座”はなく、そればかりか、2020年版であれだけ活躍していたのに、元になった原作小説『ロスジェネの逆襲』と『銀翼のイカロス』には登場していないんですよ。ドラマを見てからだと、ちょっと信じられないですよね……」(前同)

 大胆なアレンジと、それに説得力を持たせる役者を起用する。TBSドラマが評価される理由の1つだろう。

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