■長瀬の純粋さが輝いた『泣くな、はらちゃん』

 まず、13年の『泣くな、はらちゃん』だ。この作品で長瀬は「漫画の世界の住人・はらちゃん」を演じている。赤のスタジャンとジーパン・スニーカー姿でギターを背負った、ピュアな心の持ち主。ヒロインの“越前さん”を演じたのは、麻生久美子(42)だった。

「日頃のストレスを、自作漫画のキャラクターに代弁させることでうっぷんを晴らしている女性・越前さんが、ふとしたことで漫画から飛び出してきたはらちゃんと出会い、成長し、恋をするんです。世間の汚い部分を知らない、どこまでも純粋な瞳は、長瀬にピッタリでした。実際、脚本担当の岡田惠和が、長瀬をイメージして書き下ろしたうえ、長瀬も積極的にキャラづくりにスタッフに意見したそうですよ」

 全体的にどこかおとぎ話のような世界観で、ノスタルジックな雰囲気の作品だった『はらちゃん』だが。その他、特筆すべき点としては、ブレイク前の菅田将暉(27)と賀来賢人(31)が出演していたことが挙げられる。

「主題歌の『リリック』も、作詞・作曲・編曲を長瀬が手掛けた名曲です。“何気ない言葉が胸の中に溶けてゆく。それが涙となりあふれるよ”“当たり前のことがどこか美しく見えた”という歌詞を長瀬が歌い上げると、本当にジーンとくる。商業的にも、10週以上オルコンにランクインするロングヒットしたTOKIOの代表曲になりました」

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